ちょっと内気な営業マンのための人間力講座-仕事力とホメオスターシス(その1)

こんにちは、くらです。

ホメオスターシスという言葉をご存知でしょうか。

これは、
「恒常性の維持」ということを意味し、
生態が外部環境の変化に対して、
内部環境を常に一定に保つ傾向がある、
ということを意味します。

ホメオスターシスの機構として、
身体の中では、
自律神経、内分泌、そして免疫が挙げられます。

内部環境を一定に保つ例として、
体温の維持があげられます。

通常人の場合、
体温は36℃~37℃に保たれてます。

これは脳の視床下部にある、
体温調節中枢の働きです。

このように、
様々な機能の恒常性が保たれているのですが、
この働きは、
身体機能以外にも、
我々の仕事や生活の中に見出せるような気がします。

例えば感情。

最近、
自分が何に対して腹を立てたか、
どんなことにキレたか、
ちょっと思い出してみてください。

もしあなたが、
過去に同じようなことで腹を立てたことがあり、
その頻度が多いならば、
怒りのホメオスターシスが働いているかも知れません。

言い換えると、
感情の癖、怒りの閾値(反応を起こす最小の値)が決まっている、
ということだと考えられます。

つまり、
ある環境や条件によって、
決まった感情が自分に表れてくる、
ということがいえます。

怒りのホメオスターシスがあるとすると、
同じように、
恐怖や悲しみ、
喜びや楽しさのホメオスターシスも存在するはずです。

このことを意識すると、
自分の営業のやり方、
つまり仕事のやり方を、
客観的に認識し、
自分に合った営業(仕事)のやり方を、
更に伸ばせるのではないでしょうか。

例えば、
苦手な顧客の前で、
自分の身体や心がどんな反応をするのか、
一度観察してみるのです。

あの人の前では、
自分の身体がいつもこわばり、
頭は重くなり、
心臓はどきどきし、
胸の奥がなにかでつっかえたような気がする、
などの反応を意識するのです。

それを知っておくと、
自分の苦手な顧客を訪問するとき、
気分が落ち込んだり、
気が進まずになんとか訪問しないですむ理由を考えたり、
避けて通る方法を考えたりする自分を、
なぜいつもそうなるのか、
理解できるかもしれません。

会いたくない、
と思っている相手の前では、
顔の表情も、
身体に現れる態度も、
それなりに相手に伝わるような気がします。

私も新人の営業のとき、
どうしても顧客と信頼関係が結べず、
成績も全く伸びませんでした。

苦手な顧客の前では、
早く帰りたいオーラ(笑)が出ていたような気がします。

嫌な気分になることを避けたい、
不安な要素を取り除きたい、
というホメオスターシスが働き、
自分の心身の状態を平常に保っておきたいという行動に出ているのかもしれません。