こんにちは、くらです。
世の中の成功者を見ていると、運、才能、環境など、凡人の手に入らないものを一杯手にしているのではないか、と思えます。
でも、成功の裏には、凡人には分からない苦悩、努力、孤独があることを、何人もの人から感じます。
成功者の真似はとても難しいかも知れませんが、その気概や姿勢、心持ちなどからは学ぶことができると思います。
スマイルズの「自助論」(三笠書房)に、スコットランドの風俗画家、デイヴィッド・ウィルキー(1785-1841)という人のお話があります。
牧師の家に生まれた彼は、学校では劣等生で寡黙だったが、人物を描くとなると途端に熱中した。
いつも絵を描く機会を探し、どんなものでも工夫して絵を描く材料にした。
燃えさしの木切れは鉛筆に、なめらかな岩はカンバスに、ボロをまとった乞食に出会うとそれも絵の題材となる。
よその家に出かけると、壁いっぱいに落書きを残す。
エジンバラにあるスコットランド美術院へ入学を申し込むが、作品が粗野で正確さに欠けるという理由で入学を拒否される。
しかし、粘り強く作品を作り続け、ついには合格。
入学しても、彼の進歩は遅々たるものだったが、成功を決意し、その努力の結果に確たる自信を持っているかのようだった。
(以下本文)
「『自分の成功は、天賦の才というよりはむしろ地をはうようなねばり強い努力のたまものだ。
私の絵が上達した理由は、たった一言でいい表せる。つまり、たゆまず勉強したからだ』と後年、彼は述べている。
後に、ウィルキーはロンドンに出て安下宿に暮らしながら、『村の政治家たち』を描き上げた。
この絵は好評を博し、絵の注文も増えた。
だが、それでも彼は長い間窮乏生活を余儀なくされた。
というのも、制作にあまりにも時間と努力をかけすぎるため、その絵が売れてもほとんどもうけにならなかったからだ。
(中略)
『働け!働け!もっと働け!』
これがウィルキーのモットーだ。
彼は、おしゃべり好きの芸術家を極度に嫌っていた。口達者も種まきくらいはできるのかもしれない。だがいつの世も、熟した実をもぎ取るのは不言実行型の人間なのだ。」
(『自助論』スマイルズ(三笠書房)より引用)
好きなものは、誰に何を言われても、常に追求していく。
勉強し続ける。いつの世も、成功する人の共通点だと思います。
今回もお読みいただきありがとうございました。