月別アーカイブ: 2022年7月

実践ギター&カウンセリング(5)「音が出ないとき」

こんにちは、くらです。

以前、初心者の方にギターを教えていたとき、Cのコードを押さえても音がでない、ということがあった。

Zoomだったので、指を見やすく映してください、と言った。

すると、左手が、寝ていた。

つまり、コードを押さえても、ほかの弦に指が触っているので、音が出ない、ということが分かった。

これは、実は、私も今でもやっていることで、つい、指が寝ていることがある。

指は、ほかの弦に触らないように、きっちりと立てなければならない。

最初は、2弦の1フレット(C=ド)を人差し指で押さえて、1弦と2弦を同時に鳴らしても、音が鳴るかどうか試すといい。

例えばこんな感じ。

1弦に指が触っているとこうなる。

きちんと音が出るようになれば、人差し指はちゃんと立っている、ということだ。

これができたら、他の指を追加してやってみる。

Cコードだから、人差し指を2弦1フレット、中指を4弦2フレット(E=ミ)に置いて、1,2,3,4弦をジャランと鳴らしてみる。

全部の弦がきちんと音が出ているならOKだ。

これも他の弦に指が触れていると、音が出ないで汚くなる。

基本的な型ができていないと先には進めない。

これはどんな世界でも同じです。

基本をおろそかにしている人には進歩はない。

歌舞伎の中村勘三郎さんが言っています。

「きちんと型ができている人がそれを破るから型破りであって、型が無いのは形無しだ。」

人間国宝であろうが、素人であろうが、一つのことを始めたら、押さえることは同じである。

先へ進もうというなら、基本はきっちりやる。

それさへ押さえれば、きっと世界はどんどん広がっていく。

きっとギターは段々あなたの思い通りに音を鳴らしてくれるようになります。

それを信じて進みましょう。

実践ギター&カウンセリング(4)「反応の速さ」

こんにちは、くらです。

ギターを弾いていると、他の人と一緒に弾きたくなる。

グループやバンドを組む。

これがまた楽しいのです。

一人でソロの曲を弾いているのもとてもいい。

これがそう簡単ではない。

一所懸命楽譜を読んだり、実際にCD聞いたりして音を探すのです。

でも、何人かで同じリズム、同じキーで曲を演奏するのは、本当に気持ちがいい。

ただ、楽器を他の人と合わせるように弾くには、咄嗟の判断が必要になる。

私はこれを「アドリブ力」と勝手に呼んでいますが、その力がついてくると、益々ギターが楽しくなる。

でも、これもある程度経験しないとうまくいかない。

このうまくいくまでの練習が、大変、だけど、楽しい。

ギターでアドリブを練習するには、好きな曲に合わせて適当にリードを弾いてみること。

学校では恐らく違う教え方をしていると思うが、私はこれしかしらない。

たとえば、Aのブルースで考える。

(2)でもお話したように、使う音は、ちょっとブルージーなAマイナーペンタトニックスケール。

これは、A、C、D、E、Gの5つの音のこと。

もう一つ使えるスケールで、メジャーペンタトニックがある。

Aのメジャーペンタトニックは、A、B、C♯、E、F♯、の5つ。

これを組み合わせて自由に弾く。

めちゃ楽しいのです。

ただ、この10個の音(正確にはAとEがダブっているから8個)を並べるだけではアドリブにならない。

では、どう弾けばカッコいいのか。

それは、実際にカッコよく弾いている人の演奏を聴いてみるしかない。

ああ、こう弾くのか、というのが、聴けば分かる。

最初は何がカッコいいのか分からない。

私がアドリブを弾こうと思った時、誰を聞いたらいいのか友人に聞いてみた。

エリック・クラプトンを聞けばいい、と言われた。

そのとき初めてエリック・クラプトンの名前を知ったのだった。

クラプトンのアドリブというと、クリームというバンドの演奏、ということになる。

早速、クリームのLPを友人に借りて聞いてみた。

すごい!とは思えなかった。

というよりも、何をやっているのか分からない。

「グッバイ・クリーム」というLPだった。

クラプトンはギターを永遠に弾きまくっている、と思えた。

これの何がかっこいいのか、全然分からなかった。

でも、こんなに長くずっと弾くのはすごい、というのは分かった。

なので、それから毎日、訳が分からないLPを聴き続けた。

続けるというのはすごいもので、そのうちに、クラプトンの演奏が頭に残るようになった。

そして、さらに後になって、彼の使っている音は、ほとんどがペンタトニック・スケールだと分かった。

これをあれだけ早く弾く、天才か!と分かったのであった。

音を知ったら、それを早く弾けるのがかっこいいのだと思った。

とにかくペンタトニックを弾けるのを目標にした。

その後、ペンタトニックだけでは太刀打ちできない曲に一杯出会った。

コード進行が少々複雑(といっても、ところどころに毛色の違うコードが使われているような曲だったが)な曲では、ペンタトニックでは弾けないのだ。

そんな難しいことをかっこよく弾いているギタリストがいた。

ラリー・カールトンというギタリストだった。

彼のように弾きたい、と、これまた訳の分からないジャズや音楽の理論書を買い漁った。

分かったのは、コード進行に合わせて、迅速に音を選んで弾いている、ということ。

プロは、頭で考えて弾いてはいない。

自然にその音を弾いているのである。

そんなすごいことができたらな、と思いながら、未だにジャズを勉強しているのである。

でも、難しいから楽しい!