「ちょっといいくすりの話」カテゴリーアーカイブ

ちょっといい「くすりと身体の関係」のお話Vol.1-高血圧(その1)

こんにちは、くらです。

ちょっといいくすりのお話Vol.1です。

今回は、
高血圧のくすりについてお話したいと思います。

心臓から血液が押し出されて、
その力が身体の血管を内側から外へ押す力が生まれます。

これが血圧です。

この血管を押す力が強すぎるとき、
高血圧となります。

反対に、
血管を押す力が弱すぎるとき、
低血圧と呼ばれます。

血圧は、
強すぎても弱すぎても、
身体に様々な支障をきたします。

高血圧は放っておくとどうなるかというと、
長い間血圧が高いままでは、
まず、
動脈に負荷がかかり続けることによって、
動脈硬化などが起こり、
血管そのものがもろくなり、
最悪の場合、
血管が狭くなって血栓が詰まったり、
やぶれて出血することがあります。

このような最悪の事態を避けるためには、
血圧を正常な状態に戻し、
維持する必要があります。

そこで、
高血圧に対するくすりが登場します。

このくすりの作用としては、
大まかに言うと、
血管を広げて血圧を下げる、
あるいは、
心臓の働きを少し抑えて血圧を下げる、
この二つが代表的な作用となります。

ここで問題が出てきます。

高血圧になった身体は、
高い血圧で維持されています。

最初は正常な血圧で維持されていた身体が、
徐々に高い血圧に慣らされて、
その高い血圧がいつの間にか、
その身体では新しい正常な状態となっています。

その状態で、
急に元の正常な血圧に戻すと、
高い血圧に慣れてしまった身体に、
何らかの支障を来たすことになります。

例えば、
高かった血圧が急に低くなるので、
十分な血流が臓器に供給できない可能性が出てきます。

急に血圧が低くなると、
これを更に元の高い血圧に戻そうとして、
心臓が余計に働いて、
脳などの重要な臓器に血流を確保しようとします。

特に大量出血などで、
全身の血流量が低下したときは、
血圧が下がり続け、
急性循環不全、
いわゆるショック状態になります。

今汎用されている高血圧のくすりは、
きちんと決められた用量、
つまり、
一日の服用量を守っていれば、
どのくすりも急激な血圧低下は起こさないと思います。

高血圧と診断されたとき、
医師の判断でくすりが必要なら、
その指示に従って、
くすりを服用することがまず大事だと考えます。

ただし、
先に述べたように、
くすりだけで血管の変化を押さえることは、
今のところまだ困難だと思います。

食事や運動に気をつけ、
自分自身の生活態度をきちんとすることで、
くすりがいらない身体になる、
ということが、
まず我々にとって、
第一優先の課題だと感じます。

ちょっと内気な営業マンのための、ちょっといい「くすり」の話1-くすりの目的って?

こんにちは、くらです。

病気になったら、
くすりを飲むことも結構あるのではないかと思います。

くすりを飲む目的って、
一体なんでしょうか。

もちろん、
病気を治すためですが、
では、
治す、とは?

一つ目は、
身体を正常な状態に戻すこと、
二つ目は、
日常生活に支障をきたす、
異常な症状を緩和すること、
だと考えられます。

そして、
前者を根治療法、
後者を対症療法、
というのをご存知の方は多いと思います。

例えば、
肺炎などの感染症で、
抗生物質を投与するのは、
根治療法です。

抗生物質によって、
肺炎の原因菌である、
大腸菌や肺炎桿菌などの細菌を、
身体から駆逐(もしくは減少させる)ことによって、
肺炎が治ります。

肺炎のときの、
典型的な症状は、
発熱、せき、悪寒、息切れ、など、
人によって様々だと思います。

抗生物質は、
これらの症状を、
間接的に和らげることはできますが、
症状が重くなってしまってからでは、
なかなか抗生物質だけでは、
難しいこともあります。

症状を緩和する目的で使用されるのが、
熱に対する解熱剤や、
せきに対する咳止め、
重症な方で呼吸機能が落ちているときは、
酸素吸入などの呼吸管理がなされます。

重症な場合は、
もちろん入院して医師の管理が必要です。

ちょっとした病気では、
なかなか医師に診てもらう気にはなれないと思います。

今はいいくすりが市販されてますので、
自分で判断して、
自分で治療できるケースも増えてきました。

国民医療費の高騰を抑えるという目的では、
これはすばらしいことです。

国民一人ひとりが自分の身体を管理できれば、
余分な医療費を削減し、
本当に医療が必要な方々に、
必要な医療を受けていただける機会が多くなります。

しかし、
自分で自分の身体を管理するのも、
ある程度までできるとしても、
それも限界があります。

必要以上に心配することはないのですが、
自分で管理していて、
これはちょっとおかしいなと思ったときは、
自分で判断して、
医師の診察を受けることも大切です。

くすりは、
適切に使用されて、
初めて安全に、
効果的に役目を発揮できるのですから。