こんにちは、くらです。
「アドリブ力」とは、
「今自分が持っている様々な知識、スキル、情報から、
その場に求められる問題解決、課題解決を、
その場で自分なりに創造していく力」、
あるいは、
「あることに打ち込むことで、
新たに開花される、
自分でも気づかなかった、
自分の道を切り開いていく力」
と、ここでは定義しています。
アドリブ力をいかんなく発揮して、
その価値を知らしめている人々は世の中にたくさんいらっしゃいます。
その中の一つとして、
同時通訳(以下同通)という職業があります。
仕事の関係で、
過去に何度も同通の恩恵にあずかってきました。
外国の方々の前でのプレゼン・会議、
その他、国際的なカンファランス、
あるいは日本での観光案内など、
通訳の方々の、
プロフェッショナリズムに触れる機会は、
いままでたくさんありました。
初めてその超絶な技術に感動したのは、
医学系のある国際学会のセミナーでした。
日本語でも難しい医学専門用語を、
外国人の演者が英語で口にした、
その数秒後に、
日本語に翻訳して口に出すのです。
今のところ、
今まで出会った同通の方はほぼ女性だけですが、
彼女たちの頭の中は、
本当に一体どうなっているのだろうと、
今も同通の方々の技に触れるたびに思います。
そして、
このような技を駆使する方々のすばらしさに触れるたびに、
これこそアドリブの真骨頂であり、
このような力を身につけた人たちは、
自分の存在価値を、
自分で認めることができる人たちなんだろうなと、
いつも感じます。
同通の方々が、
その技を披露していることを、
現場で自慢したり、
賞賛を求めたりすることはありません。
むしろ、
同通を通じて翻訳された言葉を聴いている聴衆は、
その場で翻訳される内容だけが重要であり、
同通の方々のすごさなどには、
ほとんど興味を持たないのだと思います。
世の中のあらゆるプロフェッショナルは、
仕事の目的を果たすために、
その仕事に従事していない人間には、
決して理解できないほどの、
絶え間ない努力と精進に、
自分の身を捧げているのだと思います。
では、
仕事の目的とはなにか。
私は目的を、
誰に、なにを、どう貢献できるのか、
と考えてます。
つまり、
仕事は、
自分以外の誰かに貢献すること、
ということです。
自分だけで完結するものは、
これを趣味といいます。
もちろん、
趣味の中には、
それをすることで、
多くの人に喜んでもらえるような、
他人に貢献するものもあります。
趣味と仕事の違いは、
人に貢献し
その代価として、
何らかの報酬を得る、
ということになります。
報酬を得ることで、
自分のしたことに責任が発生し、
一切の甘えが通用しなくなります。
言語を人のために貢献すること、
というレベルに引き上げた仕事の一つとして、
同時通訳が存在すると思います。
そして、
仕事のプロフェッショナルには、
必ずといっていいほど、
アドリブ力が伴っていると思います。
仕事をプロフェッショナルのレベルまで引き上げたとき、
その人独自のアドリブ力が創造されます。
そしてそれは、
その人独自の世界を造り、
その人独自の幸せを感じ取れる世界でもあります。
反対に、
アドリブ力を使いこなせるようになるということは、
その人は、
ある意味、
プロフェッショナルのレベルであるといえるのかもしれません。
そのレベルまでいくと、
それ以下のレベルでは見えなかった世界が見えるようになり、
その人独自の世界観が形成され、
他の人には分からない、
独自の幸福感が創造されるのだと思います。
その道のプロの創造力は、
徹底的な自己追及に裏付けられる、
融通無碍なアドリブ力である、
といえるのかもしれません。