「傾聴力」カテゴリーアーカイブ

「傾聴力」とは、
聴くことを意識し、
自己理解を深め、
相手に共感することを強めていくことによって、
仕事や日常の人間関係を、
より円滑にしていく力。

ちょっと内気な営業マンの傾聴力-「自分に関心を持つ(3)「自分の心を聴く」」

こんにちは、くらです。

自分の何に関心を持つか、
どうしたらもっと自分に親身になれるか。

簡単に言ってしまうと、
どうしたらもっと自分を好きになれるか、
ということもできるかもしれません。

ただ、
内気で、
自分に自信のない人は、
どちらかというと、
自分をなかなか好きになれない、
好き嫌いでいうと、
自分が嫌い、
という人が結構多いのではないでしょうか。

自分を好きになるためには、
なんでもこなせて、
かっこよく、
仕事もプライベートも順調で、
壁に当たってもすぐに解決する、
周りのあこがれの人、
そんな人にならなければ、
自分を好きだなんて言えない。

内気で自信のない人は、
こんな風に思っているから、
今の自分を受け入れられない、
つまり、
好きにはなれないのだ、
といっては言いすぎでしょうか。

実は、
私自身がそうでした。
(今でも多少そうですが(笑))

なりたい自分を描くというのは、
それはとても大事なことだと思います。

いつかああなりたい、
こうなりたい、
というイメージは、
とても大切だと思います。

しかし、
これができる自分になりたい、
ということと、
人にこう思われる自分になりたい、
というのは、
ちょっと違います。

これは、
「Be」と「Have]の違いとも言えます。

自分がこうなりたい(Be)ということは、
自分はこれを得たい(Have)とは違います。

Beは、
人は関係なく、
自分がなりたい姿です。

Haveは、
人から得る、
例えば、
賞賛、権威、資格、など、
人に依存したことになります。

Beを中心にしている人は、
いってみれば自分の道を歩く人、
といえるかもしれません。

ということは、
Haveを中心にしている人は、
人の決めた道を歩く人、
ということになるでしょう。

私は、
どちらかというと、
Haveを中心に生きてきた人間です。

それが自覚できたのは、
色々な人の話を、
一所懸命聴く、
つまり、
傾聴するようになってからです。

人は、
一人ひとり皆違っています。

その違う人間が集まって、
社会を構成している、
そのことに、
気づいてから、
私は自分を受け入れられるようになりました。

人は違っていて、
そのままでいい。

それに気づかせてくれたのは、
人を聴くことで、
自分の心を聴けるようになったからでした。

どういうことかというと、
例えば、
人生で成功した人の話を聞いているとき、
以前は、
すごいなあ、
と思いながらも、
心のどこかで、
だめな自分と比較していて、
しかも、
それを自分では、
しっかりと認知できていない、
ということがよくありました。

あの人と比べてどうして自分はだめなんだろう、
どうして自分はこんなちっぽけなんだろう、
どうして自分はできないんだろう、
どうして・・・・・

という感じで、
ネガティブな思考の循環にはまっていたのです。

それに気づくようになったのは、
カウンセリングの勉強をして、
しっかりと相手の気持ちに寄り添うように、
傾聴することを学んでからでした。

相手の話に集中し、
相手の心に寄り添うということが、
どれだけ難しいことなのか、
なんどもなんども練習して、
初めて自覚できたのです。

そして、
未熟ながらも、
少しずつ、
相手の気持ちに寄り添うことが、
自分なりに分かってきたとき、
自分が今、
どういう気持ちで、
相手の話を聞いているのか、
客観的に認知できるようになったのです。

相手の話を聞きながら、
湧き上がってくる、
心の中の、
だめな自分というネガティブコール、
みたいなものが、
自分なりに認知できるようになってきました。

ああ、
今時分は、
自分のことと相手を比較している、
自分は自分をだめと思っている、
という認知ができるようになると、
気持ちがだんだん安らいでいったのです。

傾聴の大事な部分は、
自分の心を聴く、
ということだと、
自分なりに認識できたとき、
少しずつ、
心が安らいでいくのではないでしょうか。

自分に関心を持つ(3)
・・・・・「自分の心を聴く」

ちょっと内気な営業マンの傾聴力-「自分に関心を持つ(2)「過去を受け止める」」

こんにちは、くらです。

内気な人の自分への関心ごとは、
まず「人の目が気になる」
ことではないでしょうか。

私の場合、
今もときどき、
あ、人目を気にしてる、
と感じることがあります。

これは、
内気な性分の特性として、
生まれ持ったもので、
決して避けるべきことではなく、
むしろ、
愛すべき強みにすることができるのです。

人目を気にするからこそ、
礼儀正しく人に対処したり、
仕事に真摯に打ち込んだり、
相手が気に入ることを一所懸命考えたり、
などの行動が生まれると思います。

問題は、
自分の行動の結果に、
他の人より捉われすぎる、
ということが考えられるのではないでしょうか。

やっぱり自分はだめなんだ、
こんな程度ではまだまだだ、
こんなレベルでは人に認められない、
どうしてこんなにできないんだろう、
などと、
自己肯定感の低さを、
これでもかというくらい、
常に確認している人もいると思います。

自己肯定感が低い人は、
高くしろといわれても、
はいそうですかと、
そう簡単には高くはできません。

それは、
生まれてから、
そういう環境で育てられた、
ということもあるかもしれませんし、
自己肯定感という概念さえも、
理解できないかもしれないからです。

自分は結構すごいんだ、
という概念を持つには、
常に自分に、
そういう認識をさせてくれる、
人あるいは環境が必要です。

小さい頃から、
あなたはそのままで十分だよ、
という言葉を投げかけられている人は、
たとえ人生で挫折に直面しても、
自分はなんとかなる、
という自信を持って、
先に進んでいけるでしょう。

では、
不幸にもそういう言葉を、
小さい頃から受け取らなかった人は、
どうしたらいいのでしょうか。

私の生まれた昭和30年代は、
男たるものこうあるべき、
女たるものこうあるべき、
というような、
昔ながらの価値観が根強く残っている時代でした。

私には姉がいて、
両親は初めての男の子、
ということで、
とてもかわいがってくれたようですが、
元陸上自衛隊の中隊長で、
200名以上の部隊を率いていた父は、
やはり厳しく育てたかったようです。

私が生まれた頃、
自衛隊をやめ、
自動車修理工場を始めた父は、
子育てはほとんど母に任せ、
事業拡大に奔走していたようですが、
順調にいっていたにもかかわらず、
ある理由で倒産の憂き目に会い、
自動車のセールスの道に入りました。

社長という立場から、
一介のサラリーマンになって、
本人は、
精神的にも肉体的にも、
当時は相当苦労したのでは、
と思います。

そんなこともあって、
私は父から、
ほめられたことがなく、
というよりも、
ほめられた言葉を記憶しておらず、
父から言われた言葉で記憶しているのは、
男は理工系を目指せ、
という言葉でした。

こういう幼少期の経験だけが、
私を内気にしたかどうかは分かりませんが、
可能性は大きいと思います。

今は、
このように、
自分の過去を落ち着いて、
受け止めることができてますが、
少し前までは、
思い出すのがとても抵抗あることでした。

私は未だに内気なのですが、
それは、
自分ではいたしかたのない部分も多々あり、
内気は内気でもなんとか生きていけるのだと、
思えるようになったのは、
過去を落ち着いて受け止めることが、
できるようになったからだと、
改めて思えるのです。

自分に関心を持つ(2)
・・・・・「過去を受け止める」

ちょっと内気な営業マンの傾聴力-「自分に関心を持つ(1)「自分をそのまま受け止める」」

こんにちは、くらです。

人を聴く、とは、
相手に寄り添い、
同情ではなく共感し、
そして、
聴いている相手を受け止めることで、
相手、
そして自分も、
人間関係が円滑になり、
人生を豊かにする、
とても大事な手段の一つです。

そのために必要な、
一番大切なことは、
まず、
「自分に関心を持つ」
ということです。

内気な人間は、
自分のことが気になってしかたがない、
特に、
自分の嫌なところ、
弱いところ、
恥ずかしいところ、
つまり、
人に見せたくないところ、
それが気になってしかたがないのです。

でも、
これは、
自分に関心がある、
とは言えません。

なぜなら、
これは、
自分の姿が映る、
人の目に、
関心が集中しているからです。

自分の営業時代を振り返ると、
最初の1年間、
全然芽が出ませんでした。

なぜあれだけ辛かったのか、
と思い返してみると、
人に関心を持つどころか、
自分にも関心を持っていなかった、
と今だから分かるのです。

ではその頃、
自分が何に監視を持っていたか。

私が関心を持っていたのは、
成果を上げるかっこいい自分、
上司や先輩にほめられる自分、
顧客に好かれる自分、
誰から見てもすばらしい営業マン、
そんな妄想からくる、
非現実的な自分、
でした。

でも、
現実はどうだったか。

いつまでたっても成果を上げられない、
かっこ悪い自分。

上司や先輩には、
いつも怒られあきれられている、
みじめな自分。

いつまでたっても顧客に溶け込めない、
孤独でさびしい、
誰から見ても(と勝手に思っている)、
どうしようもない、
救いようのない営業マン。

こんな現実を、
私は受け止めることができずに、
人や環境のせいにして、
つまり、
全て他責にして、
逃げていたのでした。

自分の現実を受け止められない、
ということは、
他人の現実も、
自分のこととして、
決して受け止めることができない、
ということを、
後になって漸く実感できるのですが、
そのときは、
分かるすべがありませんでした。

でも、
何をやっても、
かっこ悪い自分であることを、
そのまま受け止めることが、
自分の殻を破る、
唯一の方法だった、
ということが分かったのは、
自分の考え方、行動を変えることで、
周りの世界が一変したのを、
自分で目の当たりにしてからでした。

自分に関心を持つ(1)
・・・・・「自分をそのまま受け止める」

ちょっと内気な営業マンの傾聴力-「相手に関心を持つ(3)「一大決心して一歩前へ出る」」

こんにちは、くらです。

相手に関心を持つことで、
人生が変わった人は、
結構この世界には多いのではないか、
と色々なお話を読んだり聞いたりして思います。

一つの例として、
依然取り上げた、
「ちょっといいお話」Vol.1の、
レジ打ちの女性のことを思い出しました。

この女性は、
それまでどんな仕事をしても、
長続きすることがなく、
職を転々としていました。

でも、
そんな自分を素直に認め、
自分の強みに気づき、
レジ打ちを極めよう、
という決心をしました。

このことが、
彼女を大きく変化させました。

レジ打ちを極めることで、
レジを見ないでも打てるようになり、
それが、
周りのことに目がいくようにさせたのでした。

今まで気づかなかった、
他人のことに、
関心を持つようになったのです。

************
(本文より抜粋)

彼女はまずレジのボタンの配置を頭に叩き込み
あとは打つ練習をしました。

数日のうちに,ものすごいスピードでレジが
打てるようになったのです。

すると不思議なことに,
これまで見もしなかったところに
目が行くようになったのです。

まず目に映ったのはお客さんの様子でした。

「ああ,あのお客さん,昨日も来ていたな」

「ちょうどこの時間になったら,子ども連れで来るんだ」

さらに

「この人は安売りのものを中心に買う」

「この人はいつも店が閉まる間際に来る」

「この人は高いものしか買わない」

とかがわかるのです。

そんなある日,いつも期限切れ間近の
安いものばかり買うおばあちゃんが,
5000円もする
尾頭付きの立派なタイをカゴに入れてレジへ
持ってきたのです。

彼女はびっくりして思わずおばあちゃんに話しかけました。

「今日は何かいいことがあったんですか?

 するとおばあちゃんは

「孫がね,水泳の賞を取ったんだよ。

 今日はそのお祝いなんだよ。

 いいだろう,このタイ」

「いいですね。
 おめでとうございます」

お客さんとコミュニケーションをとることが楽しくなったのは
これがきっかけでした。

いつしか彼女はレジに来るお客さんの顔をすっかり覚えてしまい
名前まで一致するようになりました。

「○○さん,今日はチョコレートですか。

 でも今日はあちらにもっと安いチョコレートが出てますよ」

「今日はマグロよりカツオの方がいいわよ」

などと言ってあげるようになったのです。

レジに並んでいたお客さんも応えます。

「いい事言ってくれたわ。
 今から変えてくるわ」

*****************

今まで人と積極的に交流することのなかった、
どちらかというと、
人に関心など持たなかった彼女が、

「彼女はびっくりして思わずおばあちゃんに話しかけました。」

という行動を生みました。

一大決心して話しかけたのではなく、
自分の本当の関心から話しかけた、
ということが、
とても重要なことだと思います。

営業では、
初めてのお客さんに、
一大決心して、
なんとか話しかけるということが、
結構あるのではないでしょうか。

内気な人間として、
これはとても力のいることです。

緊張し、
のどが渇き、
足が震え、
冷や汗がにじみ出る、
というと、
そんな大げさな、
と思われるかもしれませんが、
私は自分の新人のときの営業時代、
初めてのお客さんに話しかけるとき、
たいていは、
このような症状(笑)のうちどれかを示していたと思います。

いつも、
一大決心して、
相手に話しかけていたのです。

それが、
相手に関心を持つようになると、
自分でも信じられないくらい、
自然に話しかけられるようになりました。

そして、
それが自分の営業にも、
大きな変化を起こし、
いつの間にか、
地域でトップになるという、
自分にとっては信じられないくらい、
夢のような成果につながったのでした。

相手に関心を持つ(3)
・・・・・「一大決心して一歩前へ出る」

ちょっと内気な営業マンの傾聴力ー「ちょっといい聴き方(その2)「自分を聴く」」

こんにちは、くらです。

ちょっといい聴き方(その2)です。

前回
「ちょっといい聴き方」とは、

自分が感じていること、
思っていることを、
そのまま受け止める、

ということを言いました。

これがどうして、
「聴き方」に関係するのか、
と思う方もいらっしゃると思います。

クライエント中心療法と広めた、
カール・ロジャーズという方が、
カウンセリングで最も大切なことは、
「自己一致」である、
と仰ってます。

つまり、
聴く側も、
自分自身の感情や、
考えや思いなどに、
正直になれ、
自分の真実に向き合えるようになれ、
ということだと考えます。

こいつの話は聴きたくないなあ、
と思いながら、
でも表面は、
微笑みながら相手の話に頷いている、
というのは、
自分の感情や思いに反しているでしょう。

話をする側も、
こちらの不一致の思いや感情に、
なんとなく気づくものです。

何故かというと、
人と人のやり取りは、
言葉だけではなく、
声の高さ、大きさ、
話す調子や、
顔の表情、
目の動き、
体全体の動作、など、
見える部分、
聞こえる部分、
そして、感じる部分などの、
全体を含んだ、
総合のコミュニケーションなのです。

「カウンセリングとは、
 言語的および非言語的コミュニケーションを通して、
 行動の変容を試みる人間関係」
      (「カウンセリングの原理」國分康孝)

「ちょっといい聴き方」は、
相手を聴く前に、
まず自分を聴く、
ということから始まります。

相手のことを理解し、
相手に理解されるには、
自分が自分を理解し、
受け止めなければ、
相手も自分を受け止めてはくれません。

自分が今、
何を見て、
何を聴いて、
何を感じているか、
ときどきでいいので、
自分自身と対話をする時間を、
是非作ってみてください。

ちょっといい聴き方(その2)
・・・・・「自分を聴く」

ちょっと内気な営業マンの傾聴力-「相手に関心を持つ(2)「日頃の何気ない触れ合いを大切にする」」

こんにちは、くらです。

相手に関心を持つ、
とはどういうことか。

D.カーネギーの名著、
「人を動かす」の中のPart2で、
人に好かれる六原則の最初に、
「誠実な関心を寄せる」、
という項目があります。

その中でカーネギーは、
あるセールスマンの話を取り上げてます。

本文をそのまま引用します。

「かなりむかしだが、
 わたしはジョンソン&ジョンソン社のセールスマンで、
 マサチューセッツ州を担当していた。

 ヒンガムという町のドラッグストアと取引があって、
 この店へ行くたびに、
 喫茶カウンターの店員たちに声をかけ、
 しばらく世間話をしたあとで店主と商談をしていた。

 ある日、
 店主が、

 『あんたの会社は、
  ちっぽけなドラッグストアなんかは問題にしてないようだ。
  大きな食料品店やディスカウント・ストア相手の商売にばかり力を入れているらしい。
  そんな会社の品物はおことわりだ。
  帰ってくれ。』

 という。

 とりつく島もなく、
 すごすごと引きあげ、
 数時間その町をまわっていたが、
 やがて気を取りなおし、
 もう一度店主にわが社の真意を聞いてもらおうと決心した。

 ふたたび店にはいると、
 いつものように店員たちに声をかけ、
 店主のところへ行った。

 意外にも店主は笑顔でわたしをむかえ、
 いつもの倍の注文をくれた。

 『さきほどうかがってから、
  まだいくらもたってないのに、
  いったいどうしたんですか』

 とたずねると、
 店主は若い店員を指さして、

 
 『あの男の話で気がかわったのさ。

  セールスマンは何人もくるが、
  店員たちにあいさつをしてくれるのはあんただけで、
  あんたのほかに、
  この店の注文をとる資格のあるセールスマンはいないというんだよ。』

 こうして店主は、
 それからも引きつづき注文をくれるようになった。

 それ以来、
 わたしは他人のことに深い関心を持つことこそセールスマン
 ーいや、セールスマンにかぎらず、だれでもー
 が持つべきたいせつな心がけだと信じて疑わない。」

私自身の営業経験でも、
全然売れなかったときと、
自分でもわけが分からないほど数字が伸びたときの、
その違いが、
まさにここに書いてあることが理由なのだ、
と改めてこの文章を読んで思います。

つまり、
日頃の何気ない触れ合いを大切にし、
こちらが関心を示せば、
相手も、
最初はどんなに難しい相手でも、
いずれは耳を傾け、
協力者になってくれる、
という真実がここにあります。

相手に関心を持つ(2)
・・・・・「日頃の何気ない触れ合いを大切にする」

ちょっと内気な営業マンの傾聴力-「相手に関心を持つ(1)「よい友人を持つ」」

こんにちは、くらです。

「傾聴力」とは、
聴くことを意識し、
自己理解を深め、
相手に共感することを強めていくことによって、
仕事や日常の人間関係を、
より円滑にしていく力、
と定義させていただきます。

このコラムの、

ちょっと内気な営業マンのための、
「ちょっといいお話」Vol.2-運のよい人に共通する条件

のお話ので、
「いのちのスープ」で知られる、
料理研究の第一人者・辰巳芳子さんへのインタビュー記事
を取り上げました。

その記事の中で、
辰巳さんは、

「運のよい人に共通する条件」として、
「よい友人を持つことだと思います。」

と仰ってます。

そして、
この言葉について、
対談相手の、
かつて田舎の寒村だった由布院を、
日本有数の温泉地へと発展させた、
亀の井別荘相談役の中谷健太郎さんが、
経験談をお話してます。

(本文より)
中谷 私がよくお世話になった人に、
   竹工芸の人間国宝・生野祥雲斎(しょうのしょううんさい)という方がおられました。
   生野先生はお酒を一滴も飲まれないんですけど、
   徹夜でお偉いさん方を接待されます。

   私はある時、
  「先生、お酒も飲まんで、朝まで何を喋っておられるんですか」
   と尋ねると、
  「健ちゃん、フクロウになっちょればいいんじゃ」と。

辰巳 フクロウに?

中谷 一晩、「ほうほう」と言っていたら、
   その人と仲良くなる(笑)。

辰巳 あら、まあ(笑)。

運のいい人はよい友人を持ち、
よい友人を持つ人は、
ここで取り上げられているように、
傾聴力を発揮している、
と思うのです。

そして、
傾聴力を発揮するには、
一晩中、
ほうほうと言っていられる位(笑)、
相手に関心を持つ、
ということが大事なのではないでしょうか。

相手に関心を持つ(1)
・・・・・「よい友人を持つ」

ちょっと内気な営業マンの傾聴力-「自分を聴くーMBTI(その2)」

こんにちは、くらです。

自分を聴く「MBTI(2)自己理解とは」

自己理解という言葉には、
様々な定義が存在すると思います。

MBTIでは、
自己理解を次のように考えます。

自分には、
本来の素顔の自分と、
社会に適用するため身に着けたスキルとして自分がいます。

後者は、
いわゆ役割性格、
ペルソナにあたります。

ペルソナも自分のことですが、
ペルソナの語源は「仮面」であることからも、
それはあくまでも、
社会に適用するために身に着けた自分であり、
その仮面をかぶっている、
本来の自分というものを、
それぞれの人がもっているのです。

MBTIは、
ペルソナを見るのではなく、
仮面をかぶっていない自分のほうに焦点をあて、
自己理解を深めていきます。

自分の心は、
自覚している部分と、
そうでない部分に分かれます。

自覚している部分が、
「意識」の部分で、
それ以外が、
「無意識」の部分となります。

MBTIを用いた自己理解は、
意識の部分を増やすプロセスと考えます。

つまり、
心の意識化を促進させることが、
自己理解を深めると考えます。

ただし、
無意識は広義にわたるため、
MBTIはどこに焦点を当てて意識化をはかるかというと、
心の習慣、パターンに焦点をあてることになります。

我々は、
自分たちの習慣が、
一番自分に合っている、
と感じる傾向があります。

だからといって、
常にそうするとは限らないし、
それによって、
行動や反応が規定されたり、
予測できたりするとは限らないことを、
自分でも分かっています。

ただ、
自分ではあまりにも当たり前で、
自然なことであることから、
自分では気づかないことが、
多々あることも事実です。

そして、
その気づかないことが原因で、
他者とのコミュニケーションが、
自分ではわけがわからず、
ぎくしゃくしてしまうこともあります。

MBTIは、
その気づかない部分を、
自分に気づかせてくれる、
一つの心強い味方だと、
理解して活用していけば、
自分にとって、
安心な人間関係が築けていける、
とても有効な手段の一つです。

ちょっと内気な営業マンの傾聴力-「自分を聴くーMBTI(その1)」

こんにちは、くらです。

これまで、
「相手を聴く」ということについて、
色々お話してきました。

今度は、
「自分を聴く」ということについて、
新たに考えていきたいと思います。

性格、タイプ、というと、
どうしても型にはめた、
決め付けた捉え方をしてしまいがちですが、
そうではなく、
自分の思考、感情の癖を知ることで、
より円滑なコミュニケーションをとっていくことを、
特に内気な営業としては意識することが大切です。

性格、タイプというカテゴリーでは、
ユングの「タイプ論」、
そこから発展してきた「MBTI」があります。

また、
「ソーシャル・スタイル」としても知られている、
「4つのスタイル」というものがあります。

まず、
この2つについて、
一緒に考えていきたいと思います。

自分を聴く「MBTI(1)」
MBTIとは

MBTIとは、
Myers-Briggs Type Indicatorの略で、
スイスの心理学者ユング(C.G.Jung)が提唱した、
心理学的類型論(タイプ論)がベースになってます。

米国人親子、キャサリン・ブリッグスとイザベル・マイヤーズが、
約20年を費やして開発した性格検査です。

人の多様性や自分自身の理解をするためのメソッドとして、
現在、世界で最も用いられている検査です。

この検査は、
50年以上にわたる歴史があり、
現在、30言語に翻訳され、
50カ国で利用されてます。

特に、自己理解、他者理解、
キャリアカウンセリング、など、
さまざまな場面で利用されています。

日本へは、
日本人の文化や心性をふまえ、
10年以上の研究開発を経て、
2000年9月から導入されています。

MBTIは、
性格の
良し悪しや能力・スキルの有無をみるものではありません。

MBTIに回答した本人が、
自分のMBTIの結果を参考にして、
有資格者(MBTI認定ユーザー)の支援のもと、
自分で自分の理解を深めながら、
検証していく過程を重視するメソッドです。

他社と比較した自分ではなく、
その人固有の性格に焦点をあてて、
自己理解を深める支援ツールです。

ちなみに、
私も昨年(2014年)、
MBTI認定ユーザーの資格を得ております。

このMBTIで、
どうやって自己理解を深めていくか、
一緒に考えて行きたいと思います。

ちょっと内気な営業マンの傾聴力-「人を聴く3」(相手の周辺を聴く(その3))

こんにちは、くらです。

「人を聴く」の3回目です。

人を聴く3.「相手の周辺の『時間』について」

周辺の時間とはなにか。

これは、
相手のこれまで起こったこと、
今現在起こっていること、
そしてこれから起こること、
など、
過去、現在、未来、という、
3つの切り口で見ることを意味します。

生い立ち、
経験、思考、感情、など、
相手の時間の流れを、
相手と一緒に解きほぐしていくことで、
相手にとって重要な、
経験、思考、感情を共有できる可能性があります。

そして、
この共有は、
もしかしたら、
ほかの誰とも共有したことのない、
相手とあなただけの、
大切な事柄になることもあります。

気をつけなければいけないことは、
原則相手に共感する、
あくまで相手を受け止める、
ということです。

悩みなどを聴いて、
「そうなんですか。
それはお辛いでしょうね。」

というのと、
「そうなんですか。
実は私も同じことを経験していて、・・・」

などと自分のことを話し始める、
ということがあると思うのですが、
これは場合によって気をつけるべきです。

状況によっては、
自分のことを話すことで、
相手の共感を得ることができます。

しかし、
例えば、
相手が話の途中で、
ふっと間をおいたとき、
その間に耐えられず、
つい自分の考えや経験などを、
聞かれてもいないのに、
話し始めてしまうことで、
相手の思考や感情を、
途中でさえぎってしまい、
相手の本当の気持ちを受け止める、
重要な機会を逸してしまう可能性があるのです。

そのことを念頭において、
まず、
相手の話を受け止めること、
それに集中することが大切です。