こんにちは、くらです。
世の中には不思議なことがいっぱいありますが、
その中でもとびきり不思議なのは、
我々人間です。
自分自身のことを色々考えるにつけ、
分からないことがたくさんあります。
私は今年で60歳になりましたが、
これだけ生きてきても、
分からないことはどんどん増えてきている気がします。
分からないことが増えているということは、
逆にいうと、
分からないことが何なのか、
ということが分かってきた、
ともいえるのです。
難しい病気でも、
その原因が段々分かってきて、
その治療法も色々開発され、
昔は考えられなかったような、
予防、診断、治療ができるようになってきています。
科学的な知識がどんどん深堀され、
新しいことが益々増えて、
それについていくのが大変になってきています。
反面、
昔から変わらず、
分からないままのものもまだまだあります。
その分からないものの代表の一つが、
「自分とはなにか」ということではないでしょうか。
とても哲学的な話題になってしまいそうですが、
ここでは、自分の身体について、
というテーマで考えていきたいと思います。
日本人の平均寿命は、
世界の中でもトップクラスです。
女性が約87歳、男性約81歳です。(厚労省平成26年データ)
長く生きることができるのは、
色々な理由があると思いますが、
身体が健康に保たれる、
ということも大きな理由の一つだと思います。
身体が健康な状態に保たれる、
つまり、健康という一定の状態に保たれるためには、
我々が自然と身に着けている力が重要になります。
その力とは、ホメオスターシス、というものです。
これは、
恒常性の維持、
という意味で、
身体は常に、
一定の状態を保つように、
我々は生まれながらにして、
この力を身につけているのです。
一定の状態が保たれるなら、
なぜ人は病気になるのか、
という疑問が湧いてきます。
恒常性が維持されるなら、
人はなにがあっても健康でいられるのではないか。
実は、
恒常性が維持されているからこそ、
我々は、
まだそのくらいの健康が保たれるのだ、
ということなのです。
どういうことかというと、
例えば、
高血圧という病態を考えてみます。
血圧は、
心臓の拍動と、
血管の弾力によって、
ほぼ一定に保たれています。
高血圧という病気は、
心臓か血管のどちらか、
あるいは両方になんらかの異常が生じたとき、
一定の血圧より高い血圧を示す病気です。
高血圧はなぜ身体に良くないのか。
血圧が高いまま放っておくと、
脳出血や脳梗塞、
心筋梗塞などの、
致命的な病態を招きます。
運よく一命を取り留めても、
重い後遺症が残り、
自分も家族も、
一生その負担を背負い続けることになります。
では、
高血圧はホメオスターシスが壊れた状態なのでしょうか。
実は、
時間をかけて、
ホメオスターシスが変化をし、
高い血圧が正常なのだ、
と身体が認識した状態が、
高血圧という病気なのです。
例えば、
血管のなかにコレステロールとか、
血小板とか、
その他の物質がたまり、
血管の内腔が内側に膨らんでくると、
血液の通り道が狭くなってきます。
心臓から送られてくる血液の量は一定なので、
狭くなった血管を同じ量の血液が通るためには、
無理やり血管の内側を力で押しながら通る必要があります。
この力が段々強くなると、
血圧が高くなってきます。
つまり、
一定の量の血液を身体に運ぶという、
ホメオスターシスが働くので、
血圧が高くなってくるのです。
では、
高い血圧を低くして、
正常な血圧に戻すにはなにが必要か。
次回はそのことについて考えていきたいと思います。