「ホメオスターシス」カテゴリーアーカイブ

あなたの健康力を10年伸ばすコツとツボ-製薬企業36年で培ったホメオスターシスと人間力の関係ー(高血圧その1)

こんにちは、くらです。

世の中には不思議なことがいっぱいありますが、
その中でもとびきり不思議なのは、
我々人間です。

自分自身のことを色々考えるにつけ、
分からないことがたくさんあります。

私は今年で60歳になりましたが、
これだけ生きてきても、
分からないことはどんどん増えてきている気がします。

分からないことが増えているということは、
逆にいうと、
分からないことが何なのか、
ということが分かってきた、
ともいえるのです。

難しい病気でも、
その原因が段々分かってきて、
その治療法も色々開発され、
昔は考えられなかったような、
予防、診断、治療ができるようになってきています。

科学的な知識がどんどん深堀され、
新しいことが益々増えて、
それについていくのが大変になってきています。

反面、
昔から変わらず、
分からないままのものもまだまだあります。

その分からないものの代表の一つが、
「自分とはなにか」ということではないでしょうか。

とても哲学的な話題になってしまいそうですが、
ここでは、自分の身体について、
というテーマで考えていきたいと思います。

日本人の平均寿命は、
世界の中でもトップクラスです。
女性が約87歳、男性約81歳です。(厚労省平成26年データ)

長く生きることができるのは、
色々な理由があると思いますが、
身体が健康に保たれる、
ということも大きな理由の一つだと思います。

身体が健康な状態に保たれる、
つまり、健康という一定の状態に保たれるためには、
我々が自然と身に着けている力が重要になります。

その力とは、ホメオスターシス、というものです。

これは、
恒常性の維持、
という意味で、
身体は常に、
一定の状態を保つように、
我々は生まれながらにして、
この力を身につけているのです。

一定の状態が保たれるなら、
なぜ人は病気になるのか、
という疑問が湧いてきます。

恒常性が維持されるなら、
人はなにがあっても健康でいられるのではないか。

実は、
恒常性が維持されているからこそ、
我々は、
まだそのくらいの健康が保たれるのだ、
ということなのです。

どういうことかというと、
例えば、
高血圧という病態を考えてみます。

血圧は、
心臓の拍動と、
血管の弾力によって、
ほぼ一定に保たれています。

高血圧という病気は、
心臓か血管のどちらか、
あるいは両方になんらかの異常が生じたとき、
一定の血圧より高い血圧を示す病気です。

高血圧はなぜ身体に良くないのか。

血圧が高いまま放っておくと、
脳出血や脳梗塞、
心筋梗塞などの、
致命的な病態を招きます。

運よく一命を取り留めても、
重い後遺症が残り、
自分も家族も、
一生その負担を背負い続けることになります。

では、
高血圧はホメオスターシスが壊れた状態なのでしょうか。

実は、
時間をかけて、
ホメオスターシスが変化をし、
高い血圧が正常なのだ、
と身体が認識した状態が、
高血圧という病気なのです。

例えば、
血管のなかにコレステロールとか、
血小板とか、
その他の物質がたまり、
血管の内腔が内側に膨らんでくると、
血液の通り道が狭くなってきます。

心臓から送られてくる血液の量は一定なので、
狭くなった血管を同じ量の血液が通るためには、
無理やり血管の内側を力で押しながら通る必要があります。

この力が段々強くなると、
血圧が高くなってきます。

つまり、
一定の量の血液を身体に運ぶという、
ホメオスターシスが働くので、
血圧が高くなってくるのです。

では、
高い血圧を低くして、
正常な血圧に戻すにはなにが必要か。

次回はそのことについて考えていきたいと思います。

ちょっと内気な営業マンのための人間力講座-仕事力とホメオスターシス(その1)

こんにちは、くらです。

ホメオスターシスという言葉をご存知でしょうか。

これは、
「恒常性の維持」ということを意味し、
生態が外部環境の変化に対して、
内部環境を常に一定に保つ傾向がある、
ということを意味します。

ホメオスターシスの機構として、
身体の中では、
自律神経、内分泌、そして免疫が挙げられます。

内部環境を一定に保つ例として、
体温の維持があげられます。

通常人の場合、
体温は36℃~37℃に保たれてます。

これは脳の視床下部にある、
体温調節中枢の働きです。

このように、
様々な機能の恒常性が保たれているのですが、
この働きは、
身体機能以外にも、
我々の仕事や生活の中に見出せるような気がします。

例えば感情。

最近、
自分が何に対して腹を立てたか、
どんなことにキレたか、
ちょっと思い出してみてください。

もしあなたが、
過去に同じようなことで腹を立てたことがあり、
その頻度が多いならば、
怒りのホメオスターシスが働いているかも知れません。

言い換えると、
感情の癖、怒りの閾値(反応を起こす最小の値)が決まっている、
ということだと考えられます。

つまり、
ある環境や条件によって、
決まった感情が自分に表れてくる、
ということがいえます。

怒りのホメオスターシスがあるとすると、
同じように、
恐怖や悲しみ、
喜びや楽しさのホメオスターシスも存在するはずです。

このことを意識すると、
自分の営業のやり方、
つまり仕事のやり方を、
客観的に認識し、
自分に合った営業(仕事)のやり方を、
更に伸ばせるのではないでしょうか。

例えば、
苦手な顧客の前で、
自分の身体や心がどんな反応をするのか、
一度観察してみるのです。

あの人の前では、
自分の身体がいつもこわばり、
頭は重くなり、
心臓はどきどきし、
胸の奥がなにかでつっかえたような気がする、
などの反応を意識するのです。

それを知っておくと、
自分の苦手な顧客を訪問するとき、
気分が落ち込んだり、
気が進まずになんとか訪問しないですむ理由を考えたり、
避けて通る方法を考えたりする自分を、
なぜいつもそうなるのか、
理解できるかもしれません。

会いたくない、
と思っている相手の前では、
顔の表情も、
身体に現れる態度も、
それなりに相手に伝わるような気がします。

私も新人の営業のとき、
どうしても顧客と信頼関係が結べず、
成績も全く伸びませんでした。

苦手な顧客の前では、
早く帰りたいオーラ(笑)が出ていたような気がします。

嫌な気分になることを避けたい、
不安な要素を取り除きたい、
というホメオスターシスが働き、
自分の心身の状態を平常に保っておきたいという行動に出ているのかもしれません。